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慰謝料請求をされたら回答書が必要?減額交渉のやり方とは?

更新日:2019年07月23日
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『私の夫の挙動がおかしかったので問い詰めたところ、あなたと不倫関係であることが発覚しました。この不倫によって受けた精神的苦痛に対して慰謝料300万円を請求します。』

 突然このような書面の内容証明郵便が自宅に届いたらどうでしょうか。
 身に覚えがある方は血の気が引く思いをするのではないでしょうか。

 高額な慰謝料で支払うことができないからと言って放置すると大変なことになってしまいます。離婚慰謝料について内容証明郵便が送られて来たら、「回答書」を作成し、請求された慰謝料に対して減額交渉などをしなければなりません。

 回答書とは一体どのような書面なのか、慰謝料の減額はどのように交渉すればよいのかなどについて詳しくみていきましょう。

慰謝料請求に対する回答書とは

 回答書とは質問や要求などに答えた文書のことを言います。
 不倫に対する慰謝料請求の内容証明郵便が送られてきた場合は、慰謝料請求に答える文書のことになります。

 一般的に送られてきた内容証明郵便は、相手方に合わせて内容証明郵便で返すようです。
 普通郵便でも返信することは可能ですが、相手方が回答書を受け取ったかどうか把握するためには内容証明郵便にして、さらに配達証明郵便もプラスして、いつだれがどのような文書を送り、その文書を相手が受け取ったこととその日時を証明できるようにしておいた方が良いでしょう。

 また、慰謝料請求が内容証明郵便で届いたからと言って慰謝料を支払う義務が法的に生じるわけではありません。
 しかし、回答書を送るなどして答えることをしないと裁判を起こされてしまう可能性があります。相手方が弁護士などに依頼をして請求書を送付している場合はなおさらです。
 実際の文書でも「この書面が到達してから〇日以内に指定の口座に振り込みをされなければ法的措置をとります」といった文言が記載されます。

 慰謝料請求の文書が届いたら早急に回答書を作成しましょう。

回答書による減額請求を成功させる方法はあるのか?

 不貞行為(不倫や浮気)に対する慰謝料の相場は50~300万円となっています。
 例えばたった一回ホテルで肉体関係を持っただけで300万円の慰謝料を請求されたとします。請求額は精神的苦痛を受けた被害者が設定しますので、高額すぎるとしても被害者は請求することができるのです。
 このように高額すぎる慰謝料を請求された場合は回答書にて減額請求をすることになるのですが、回答書を作成する際には次のようなポイントを抑えて書くと良いでしょう。

 ①謝罪をする
  回答書の文章の中に、謝罪の言葉を入れます。
  例えば「奥様に多大な精神的苦痛を与え、ご主人様との夫婦関係を危機的な状況におとしいれてしまったことを心からお詫び申し上げます。」といったような内容です。
  また、反省している旨、二度と浮気相手とは会わないといった旨なども謝罪の内容に盛り込むと良いでしょう。
  ただし、謝罪をするということは不貞行為を認めるということですので、不貞行為に心当たりがない場合はご注意ください。
  ちなみにここの謝罪文についてはインターネットなどで調べればひな形が出てくることがありますが、相手方も色々と調べている可能性もありますのでひな形通りに文章を作成してしまうと相手方から「反省していない」と受け取られてしまう可能性があります。
  ひな形をもとにしても良いですが、きちんと自分の言葉にして本当に反省しているという内容の謝罪文を、誠心誠意をこめて書くことが大切です。

 ②減額請求をする
  「請求通りにお支払いをしたいところなのですが、経済的に余裕が無いので〇〇万円のお支払いでお許しいただくことはできないでしょうか?」といった内容で、慰謝料の減額を要求します。
  ここでも「経済的に余裕が無いので」という文章をそのまま使うよりも「お恥ずかしい話ですが月々の給与が〇〇万円しかなく、貯金もわずかしかございません。また、薄給の為借り入れもできませんでした。そのため請求された金額を全額お支払いするのは難しい状況です。」といったように、自分の支払い能力のなさを詳細に相手方に伝えると良いでしょう。
  実際に給与明細のコピーなどを送付するケースもあるほどです。

  この減額請求を相手方が受け取った後、また相手方から慰謝料額の提示があれば引き続き交渉を続けることになります。そうして最終的に決定した金額が慰謝料の金額になります。
  きちんと説明をすることによって相手方に「本当にお金が無い」ということを信用してもらえるようにしておきましょう。そうすることによって無理な要求がなされないようにすることができますし、場合によっては慰謝料の分割払いを認めてもらえる可能性があります。

慰謝料請求をされた時にしてはいけないこと

 まずは前述したとおり、慰謝料請求を放置することです。
 慰謝料請求を放置し続けた場合、裁判になってしまう可能性があります。もちろん相手方の怒りも増してしまいます。
 裁判を起こされてしまったら精神的・肉体的に負担になりますし、請求について放置したことについて悪質だと判断されることがあるので立場が余計に不利になってしまう可能性があります。
 慰謝料請求をされたら早急に回答書を送るようにしましょう。

 次に、内容をしっかりと確認してから示談書などに署名をしましょう。
 慰謝料請求をされてしまったら動揺し、焦って署名をしてしまうことが考えられますが、示談書などは一度署名をしてしまったら内容を覆すことが非常に困難です。
 
 そして感情的にならないことが大切です。
 感情的になって不適切な発言をしたり、あってはならないことですが手を出したりしてしまうと余計に不利な状況に陥ってしまいます。
 感情的になってしまいそうな場合は、弁護士など第三者に依頼をしたほうが良いかもしれません。

困ったら弁護士に相談を

 感情的になってしまった場合だけではなく、慰謝料の減額を成功させたいとき(弁護士に依頼したほうが大幅に慰謝料を減額することができる可能性があります)も弁護士の力を借りることはおすすめです。
 また、加害者である自分からは被害者である相手方に対して「あなたの夫の方が積極的にアピールしてきていた」「お金が無いからそんなに慰謝料を支払えない」ということは伝えにくいものですが、第三者である弁護士にはその旨が相談しやすくなります。
 相手方と直接やりとりをしたくない場合も弁護士が代理をしてくれますし、郵便のやり取りや話し合いで折り合いがつかず裁判を行うことになった場合も、弁護士が対応してくれるので安心です。

 回答書の文章の書き方一つで相手方の気持ちを逆なですることもありますので、慰謝料請求をされた時点で回答書の書き方から弁護士に相談をしてみたほうが良い可能性もあります。
 初回無料で相談を受けている弁護士事務所もありますので、まずは一度弁護士に気軽に相談してみてはいかがでしょうか?

まとめ

 慰謝料請求の文書が送られて来たら必ず回答書で返事をしましょう。
 回答書の書き方は非常に重要です。書き方一つで相手方の出方が変わる可能性があるからです。不貞行為に心当たりがある場合は必ず謝罪をし、そのうえで減額請求をしましょう。謝罪は誠心誠意をこめて自分の言葉で書くこと、減額請求はその必要性を詳細に伝えることが大切です。
 慰謝料請求をされたら、速やかに回答書で返事をすること、示談書への署名は内容をきちんと確認してから行うこと、感情的にならないことがポイントです。
 回答書の書き方から裁判に至るまで、弁護士に依頼することができます。
 不安がある場合はまずは相談してみましょう。

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