大好きな夫と浮気をした女が許せない。絶対に慰謝料請求をしてやる!
浮気をした夫への怒りもあるけれど、それ以上に浮気相手の女を許すことができない場合、慰謝料請求をすることはできるのでしょうか?
“浮気相手に対する慰謝料請求”について詳しくみていきましょう。
まず、慰謝料請求をするには条件が必要です。
初めにその条件を確認しておきましょう。
●不法行為に該当していること
「慰謝料」とは、不法行為に基づく損害賠償請求権のことです。
そのため、浮気相手の行為が法律で言うところの不法行為でなければ慰謝料を請求することはできません。
●不法行為とは
ではその不法行為とはどのような内容なのでしょうか?
基本的には以下の3つの要件のすべてを満たしている場合に不法行為と言えます。
①肉体関係があること
婚姻中に不貞行為、つまり肉体関係があったことが慰謝料請求をする上での大前提となります。判例によっては肉体関係がなくても慰謝料請求をすることができたものもありますが、例外的な判例です。
つまり、配偶者がただ浮気相手と食事に行っていたという程度では不法行為にはならないというわけです。
②故意または過失があること
故意…不貞行為があった時に配偶者が結婚していることを知っていた。
過失…不貞行為があった時に配偶者が結婚していることを知らなかったことに落ち度がある(例えば同じ会社に勤めているので、知ろうと思えば知ることができたなど)
など、故意または過失がないと慰謝料請求は認められません。
配偶者が出会い系サイトで知り合った浮気相手に、既婚者であることを隠して独身のふりをしていて、浮気相手もそれを信じていたなどといった場合は故意または過失には該当しません。
③不貞行為までは夫婦仲が円満であったこと
不貞行為が行われた時点で既に夫婦仲は冷めきっており別居状態だった場合や家庭内別居をしており離婚が決まっていた場合など、婚姻関係が破たんしていた場合は慰謝料請求をすることはできません。
円満な夫婦が不貞行為によって夫婦仲が破たんしてしまったことに対して慰謝料請求をすることができるからです。
要件を満たせば必ずしも浮気相手に慰謝料請求ができないケースがあります。
そのケースとは次の2つです。
・既に慰謝料を受け取っている
・時効を迎えてしまった
●既に慰謝料を受け取っている
例えば浮気をしていた配偶者から既に慰謝料を受け取っていた場合は、浮気相手に慰謝料請求をすることはできません。
慰謝料請求自体は配偶者、浮気相手のどちらに対してもすることができますが、二重に慰謝料を受け取ることはできないとされています。
配偶者から受け取った金額が相場よりも少なかったとしても、既に慰謝料を受け取っている場合は重ねて請求をすることはできないというわけです。
しかし、浮気だけではなく暴力を受けていたというケースなどは別途請求できる可能性もあります。
●時効を迎えてしまった
慰謝料請求は、不貞行為を知った時から3年以内に行わなければなりません。
この期間を経過してしまったら、時効が完成してしまうため慰謝料の請求をすることはできなくなってしまいます。
慰謝料請求は早いうちに行っておきましょう。
①慰謝料請求の要件を満たしているか
まずは先述した慰謝料請求の要件を満たしているかどうかを確認します。
②証拠を集める
感情的になって「あなた浮気してるでしょ!」と問い詰めることはやめておきましょう。
一息ついて、慰謝料請求をするための証拠を集めます。
もはや定番ともいえる携帯電話やスマホをチェックしてみましょう。
しかし、女性との会話のやり取りの内容だけでは証拠としては不十分です。
やりとりの内容から、肉体関係があったと推測されるものや、肉体関係があった事がわかる画像を保存することが重要です。
また、ホテルの領収証などがゴミ箱に捨てられている場合は領収証も保管しておきましょう。
既に配偶者や浮気相手が浮気を認めている場合は、念書をとっておくことや、認めた際の会話内容の録音などをしておきましょう。これらも後々証拠として使えます。
③浮気相手の情報を集めておく
慰謝料請求の書面を送ることができなくなりますので、名前と住所だけは最低限把握しておく必要があります。
他には
・電話番号(配偶者のスマホなどから調査可能)
・勤務先、役職(支払い能力を把握するため)
・配偶者の有無(W不倫だった場合は逆に請求される可能性もあるため)
これらを把握しておくと良いでしょう。
どうしても情報が無い場合は興信所などに依頼をして調べてもらうことになります。
④慰謝料請求額を決める
請求者の精神的損害の度合いや浮気相手の支払い能力などを考慮して、請求額を決めていきます。あまりに高額な金額だと浮気相手は支払うことはができません。仮に訴訟を起こして認められたとしても支払い能力が無ければ意味がありません。
そのため慰謝料請求額を決めるときはあくまで相手が支払うことができる金額を設定することが重要です。
⑤実際に請求する
一般的には郵便局の内容証明郵便などによって慰謝料の請求をします。
しかし、場合によっては郵便物が届くのを避けたほうが良いケースなどもありますので、その際には浮気相手と直接会うか、電話やメールなどで請求することになります。
⑥示談書の作成
浮気相手が支払いに応じたら、後々のトラブルを回避するため示談書を作成します。
離婚をせずに婚姻関係を続けていくのであれば、二度と配偶者と接触をしないこと、不貞行為をしないことなどの約束を書面に残しておきます。
もちろん、決定した慰謝料額もきちんと残しておきましょう。
⑦示談書を公正証書にする
公正証書を作成することによって、示談書を裁判の判決と同様の効果を持たせることができます。
示談書にしておけば、浮気相手からの慰謝料の支払いが滞っている場合などに給料や財産の差し押さえをすることができるのです(つまりは強制執行)。
公正証書を作成していない場合は、裁判所にて判決を受ける必要がありますので、判決を経ることなく強制執行ができるというわけです。
⑧調停・訴訟
慰謝料請求をしても相手が無視をする場合や支払いに応じない場合は、家庭裁判所にて調停や訴訟を起こすことになります。
いきなり訴訟を起こすことはできませんので、まずは調停(話し合い)からになります。調停をしても話しがつかない場合は訴訟に移行します。
浮気相手に慰謝料請求をする場合はまず要件を満たしているかをしっかり確認しておきましょう。
既に配偶者から慰謝料をもらっている場合や慰謝料請求の時効を迎えてしまっている場合は浮気相手に慰謝料を請求することができませんのでご注意ください。
実際に慰謝料を請求するためには証拠集めや内容証明郵便の作成、示談書の作成、場合によっては調停や訴訟を起こすことになります。
浮気相手が慰謝料の支払いに応じないケースや、配偶者が逆上してくるケースなど、浮気の慰謝料請求は様々な問題が生じる可能性があります。
また、証拠が使えるかどうかの判断は素人では難しい部分もありますし、配偶者にDVが認められるケースは夫婦だけで話し合うのは非常に危険です。
初回相談を無料で行っている弁護士事務所もありますので、まずは一度法律のプロである弁護士に相談してみてはいかがでしょうか?
自分を苦しめ、夫婦関係に傷を入れた浮気相手から、確実に慰謝料請求をするために確実な方法をとっていきましょう!
2021年03月10日 離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者
2020年03月17日 離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者
2020年07月27日 離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者
2021年09月01日 離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者
2020年06月02日 離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者