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5分でわかる:熟年離婚は『共有財産』で、新章を始める!

更新日:2020年03月09日
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 「このまま老後まであんな人と一緒にいるなんて考えられない」「でもずっと専業主婦/夫だったから、金銭面を理由に離婚は出来ない」、そんなことを考えている方はいらっしゃいませんか・
 ですが、心配なさらないでください。民法上では、そのような方々のための法整備が行われています。
 本記事では、縛られることなく自由な老後を豊かに送るための『共有財産』についてご説明いたします。

『共有財産』とは

 婚姻中に築いた財産であれば、所有名義が一方の配偶者となっている場合でも、もう一方の協力があってのことと見なされ、夫婦の『共有財産』であると考えられます。共有財産の例を挙げると、
・家財道具
・土地
・住宅
・車
・銀行預金
・株券
等が当てはまります。

財産分与

 『共有財産』は、離婚の際財産分与されます。財産分与とは、婚姻中に夫婦で協力して築き上げた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配することをいいます。その種類は、

清算的財産分与 夫婦が婚姻中に形成した財産の清算
扶養的財産分与 離婚により困窮する(元)配偶者の扶養
慰謝料的財産分与 傷つけたことに対する慰謝料としての意味を含むもの

清算的財産分与

 財産分与のうち、最も中核を担うのが清算的財産分与(=夫婦が婚姻中に形成した財産の清算)です。財産は、その名義のいかんに関わらず、夫婦の『共有財産』と捉えられ、離婚の際はそれぞれの貢献度に応じて公平に分配する、という
仕組みです。

清算的財産分与の性質

 清算的財産分与は、離婚原因の有無に左右されず、あくまで2人の財産を2人で分けるという考え方に基づくものです。
 そのため、清算的財産分与は、離婚原因を作った有責配偶者(責任がある配偶者)からの請求でも認められることになります。

『処分』とは

 私たちが普段使っている『処分』という言葉は、基本的に「捨てること」を指す方が多いでしょう。
 しかし法律用語における『処分』とは、「財産の現状または性質を変更したり、家の売買等のように財産権の法律上の変動を生じさせたりする行為」を指します。
 文言としては難しいですが、まとめると、「何かを得たり捨てたりあげたりすること」です。つまり、Aに処分権を持っていたとすると、そのAは、自由に扱ってよい、という権利と言えます。

老夫婦

熟年離婚した後の生活

 熟年離婚を考えた時に最も必要なのが、離婚後の生活費です。特に長らく専業主婦/夫であった場合、年齢やキャリアから離婚後に職に就くのは困難です。
 そんな時頼りになるのが財産分与-特に、共有財産です。財産分与の中では、年金分割は厚生年金と共済年金に限られますし、慰謝料請求は、相手方にあまりにも責任がない限り認められないのが現状です。

終わりに

 熟年離婚はとても勇気のいることですが、分割された共有財産は新生活の一助となります。法律と時間を使って充分な準備が出来ましたら、ぜひ第2の人生を楽しんでください。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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