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離婚時の財産分与は、離婚前がオススメ!

更新日:2020年01月07日
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不倫や借金、DVなどさまざまな理由で夫婦関係を続けることが難しくなったら、離婚が頭にちらつきはじめるもの。

配偶者に不倫されたことがきっかけで夫婦生活が破綻したのであれば慰謝料を請求する必要がありますし、小さな子どもがいれば親権や養育費のことも気になります。

しかし離婚を検討する際に後回しにしてしまいがちな財産分与こそ、離婚前に話し合って同意の上で内容を決定しておくことが重要だということをご存じでしょうか。

この記事では、財産分与の種類や内訳、分与を行う時期など、離婚に伴う財産分与のあれこれについて紹介します。

財産分与とは

 婚姻関係をもつ夫婦が離婚する際に、婚姻期間中に協力して築いた財産を分けることを財産分与と言います。

原則としては婚姻期間中の貢献度に応じて分配するとされていますが、法的に割合を決められているわけではありませんので、協議によって分与の割合を当事者同士で決めることができます。

妻が専業主婦だと財産分与をしてもらえないというイメージがあるかもしれませんが、婚姻期間中に夫が外で働いて収入を得るためのサポートをしてきたわけですから、法律上の正当な権利として取り決めを行うことが大切です。

 

財産分与にも種類があります

離婚時に行う財産分与には、「清算的財産分与」「扶養的財産分与」「慰謝料的財産分与」という3つの種類があります。

 ひとつずつ詳しく見ていきましょう。  

・清算的財産分与

婚姻期間中に夫婦で協力して築いてきた財産は、夫の名義か妻の名義かに関係なく共有財産と考えます。
離婚する際には、離婚の原因には関係なく共有財産を夫婦で分ける方法を清算的財産分与と言います。
不倫や暴力を受けた側はもちろんですが、こうした離婚原因をつくった側である有責配偶者側からも請求できます。
財産分与の中ではもっとも一般的に行われている財産分与です。

・扶養的財産分与

離婚した後、夫婦のどちらかが経済的に困窮する可能性がある場合に、その生計を補助する目的で行われる財産分与の方法を扶養的財産分与と言います。
たとえば夫が重い持病を患っていて労働がままらならない、妻が長い間専業主婦であり経済力がないといったケースで認められることがあります。

高齢であるといった理由で定期的な労働による収入確保が不可能なケースも含まれます。
夫婦のうち、経済力が強い側から経済力の弱い側に対して、事前に決めた一定の金額を定期的に支払うという方法が一般的です。
離婚した後も相手を扶養するという意味合いが強い財産分与と言えるでしょう。

・慰謝料的財産分与

不倫や暴力など、精神的苦痛を受けたことが離婚原因となっている場合は、精神的苦痛を受けた側が配偶者に対して慰謝料を請求する権利があります。
本来は慰謝料と財産分与とは別々に検討していくものですが、金銭に関する問題という共通点があることから、別々にせずまとめて金額を交渉し請求するという方法をとることがあります。
他の2つの財産分与とは異なり、財産分与に加えて慰謝料という意味合いを含むことから慰謝料的財産分与と言われています。
このように、財産分与には3つの種類があります。
離婚する原因や夫婦それぞれの経済力といった条件に合わせて、ケースバイケースで選択することになるでしょう。

 

財産分与を行う時期

財産分与の種類をつかんだところで、次に確認しておきたいのは「いつ財産分与を行うのか」ということです。
特に揉めやすいのは、離婚前に別居している場合です。
財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で築いた共有財産を分け合う権利です。

たとえ別居していても婚姻関係は続いており、未成年の子どもがいる場合は夫婦のどちらかが子どもを養育していますから、共同親権として経済的に協力し合う関係が続いているとして離婚が成立する時点で保有する財産を分け合うという考え方があります。

一方で、別居の時点で婚姻関係は破綻しているため別居期間中の財産の増減は考慮せず、あくまでも同居していた期間中に築いた財産をもとに計算して分け合うという考え方もあります。
離婚裁判ではこの2つの考え方のどちらも判例があります。
離婚原因や家庭環境はさまざまですから、どちらの考え方が一般的ということではなくケースバイケースで判断することが多いようです。

財産分与の内訳

次に頭に入れておきたいのは、財産分与の内訳です。
財産分与は、財産であればどれでも対象となるわけではありません。
財産分与の対象となる財産と対象にならない財産とを把握しておくことで交渉をスムーズに進めやすくなります。

まず、いつ築いた財産を財産分与の対象としてとらえるかですが、婚姻期間中に夫婦で築いた財産が対象です。
夫や妻が独身時代に保有していた財産は各自の財産であり夫婦共有の財産とはみなされないため、財産分与の対象になりません。
財産分与の対象となる共有財産の内訳は次のとおりです。

・預貯金
・不動産
・株式などの有価証券
・家財道具や電化製品
・生命保険や個人年金
・自動車
・ゴルフ会員券
・退職金(将来受け取る予定のものも含む)

これらは資産、つまりプラスの財産ですが、財産分与の対象は借金、いわゆるマイナスの財産も該当します。
住宅や自動車、教育などに関するローンが残っている場合は、これらをプラスの財産と相殺して分与することになります。
ただし、夫婦のどちらかが浪費やギャンブルのためにつくった借金は財産分与の対象からは外されます。

財産分与の対象となる財産の内訳を知っておくことは、次のようなメリットがあります。
離婚が成立してから2年以内であれば財産分与の請求はできるため、離婚をまず先に成立させたいという気持ちが生じるのは自然なことです。

しかし、離婚が成立したとたんに相手と連絡が取れなくなったり、住所や職場が変わっていて所在が分からなくなり交渉できなくなるといったケースは珍しくありません。
財産分与は夫婦ともに持っている正当な権利です。

また、経済力のない専業主婦やパートタイム勤務の妻にとっては、離婚後に保有する財産がどれくらいになるかということは、離婚後の生活の質に直接影響します。
確実に財産分与を行うには、離婚が成立する前に交渉を進めることが大切です。

離婚の話し合いの中で財産分与について話し合えたとしても、協議期間が長引いてくると、少しでも相手に渡す財産を減らそうと相手に断りなく財産を処分して共有財産を減らすといった行動に出る夫や妻も少なくありません。
夫や妻が勝手に共有財産を処分してしまう危険性が高い場合は、財産処分近視の審判前保全処分を家庭裁判所に申し立てておくといいでしょう。
加えて、相手名義の預貯金口座や証券などのコピーをとっておくとより確実です。

 

まとめ

離婚したいと考えはじめると、離婚を早く成立させることや、未成年の子どもの親権や養育費を決めることに意識が向いて、財産分与を後回しにするケースはよくあります。
しかし婚姻期間中に築いた財産は、お互いの努力によって形成された共有のもの。

財産分与の交渉は離婚の成立を遅らせる原因のひとつになりやすいですが、離婚後の生活を考えると、分与を受けるべき財産は確実に手にしておくことが大切です。
財産分与は離婚と同時に交渉を進め、離婚成立と同時に分与が完了することが望ましいでしょう。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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