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熟年離婚に待った!一度弁護士に相談を!

更新日:2021年04月21日
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熟年離婚をしたいと考えているけれど、誰に相談していいかわからない。
 身近な人に相談したら「絶対にやめておけ」と言われてしまうだろうし…どうしよう。
 
熟年離婚の場合は世間体が気になるかもしれませんし、今後のことを悩むこともあると思います。身近な人に話したくない場合や離婚に詳しい弁護士などの専門家に聞いてみたいという方もいらっしゃるでしょう。
 誰に相談すればいいのか、熟年離婚の原因は何か、離婚に関するお金のことなどを詳しくみていきましょう。

熟年離婚について誰に相談すればいいのか

●離婚すべきかどうかを悩んでいる場合
 離婚自体をするべきかどうか、離婚後はどういった生活を送ることになるのかの相談をしたい場合は、
 ・インターネット掲示板
 ・カウンセリング
 ・女性センター
 などに相談してみましょう。
インターネット掲示板で相談をした場合は辛口なコメントをされる可能性もありますが、離婚後のリアルな生活を知ることができる可能性があります。
 カウンセリングは自治体が行っているものや心療内科にて受けることができます。
 女性センターは自治体が設置している女性のための施設です。DVやモラハラ(モラルハラスメント)を受けている場合はこちらに相談してみましょう。

●離婚についての相談がしたい場合
 離婚をすることは決めているが、どう進めていけばいいのか、トラブルを回避するにはどうしたらいいのかなどの相談をしたい場合は
 ・弁護士
 ・自治体の相談会(弁護士や司法書士に相談をすることができる)
 ・ネット上の法律相談(弁護士が回答するもの)
 などを利用することができます。
 離婚に関する事は法律に深くかかわることが多くありますので、法律のプロである弁護士などに相談することになります。
 自治体の相談会は無料ですし、弁護士の相談も初回無料で受けてくれる事務所があります。ネット上の法律相談も無料のものがありますし、過去に受けた相談事例などを見ることもできます。

 自分に合った相談相手を見つけて相談をしてみましょう。

熟年離婚の原因とは?

 実際に熟年離婚を考える方はどういった原因で離婚を考えているのでしょうか?
 よくある原因をチェックしてみましょう!

 ・性格の不一致
 ・価値観の違い
 ・配偶者が家にいることのストレス
 ・不貞行為(浮気、不倫)
 ・DV、モラハラ
 ・他に好きな人ができてしまった
 ・配偶者の両親や親戚との関係が悪い
 ・介護問題
 ・夫婦仲が悪い(会話が無い、仮面夫婦など)
 ・家事をしない
 ・金銭感覚が合わない(借金やギャンブル、頻繁な飲み会、高級品を買いあさるなど)

 など、これらが原因で離婚を考える方が多いようです。
 また、長年我慢していたけど子供がいるから離婚をせずに耐えていた場合は「子供の自立」も原因の一つになります。
 熟年離婚ならではの原因としては介護問題や配偶者が家にいることのストレスなどがあります。舅や姑の介護が苦痛、配偶者の介護をしたくない、定年退職後の夫と一緒に過ごすのが苦痛…というのはよく耳にしますね。
 仲がいい夫婦だから大丈夫、と安心していると急に離婚を切り出されるかもしれません。配偶者が自分との関係でなにか嫌だと思っていることは無いか、辛いことは無いか気にかけてみてはいかがでしょうか?

熟年離婚とお金

 さて、離婚をすることになったらお金に関する問題は避けて通ることができません。
 熟年離婚をする場合は退職金や年金も話し合いの対象となる可能性があります。
 離婚に関するお金のことを知っておきましょう。

 ●離婚慰謝料
  不貞行為やDV、モラハラなど、精神的な損害を受けたときには慰謝料を請求することができる可能性があります。
  慰謝料を請求するためには証拠が必要です。不貞行為があった場合は興信所に依頼して浮気の証拠を集めたり、DVやモラハラを受けていた場合は医師の診断書や暴言を録音したもの、被害を受けた日時や回数がわかるものを用意しておく必要があります。
  証拠があるにもかかわらず相手が嘘をついた場合は慰謝料を増額できる可能性もあります。自分が優位に立てるよう、しっかりと証拠を集めておきましょう。

  また、後述しますが財産分与をする際にも証拠集めというのは重要です。
  財産を把握する為で、預貯金額を把握するための通帳や不動産のことがわかる登記簿、生命保険の証書などを集めておきましょう。

 ●婚姻費用
  婚姻費用とは結婚した夫婦が共同生活を送るのに必要な費用のことを言います。
  例えば離婚する前に別居してしまった場合や、配偶者を置いて浮気相手の所に行ってしまった場合などに生活費が支払われないことがよくあるそうです。
  しかし、婚姻中の夫婦には同じレベルの生活が送れるように生活保持義務がありますので、離婚までの期間中に支払われなかった生活費については婚姻費用として請求をすることができます。

  自分で配偶者に請求することも可能ですが、請求して支払われるぐらいなら初めから生活費を渡されていたはずですので、多くは家庭裁判所で「婚姻費用分担調停」を行って生活費の請求をすることになります。
  話し合いが成立しない場合は裁判を行い、判決を受けることになります。

 ●財産分与
  財産分与とは、夫婦が共同で築き上げた財産を分け合うことです。
  財産分与の割合は、原則として1/2ずつです。
  財産分与の対象となる財産は、現金や預貯金、不動産、車、株式、骨とう品や貴金属などのプラスの財産や、住宅ローンなどのマイナスの財産です。
  結婚前の財産は対象外です。
  熟年離婚の場合は、退職していなくてもいずれ受け取るであろう退職金が財産分与ン対象となる可能性があります。目安としては離婚後10年以内に定年を迎えること、上場企業など退職金の制度がきちんと整っている企業に勤めていることなどが挙げられます。退職金の分与の割合は婚姻期間に該当する部分になります。

  前述したとおり、しっかりと証拠を集めておかなければ財産を隠されてしまう可能性があります。証拠をもとに話し合いを進めて、話し合いがつかなければ家庭裁判所で調停や裁判を行うことになります。

 ●年金分割
  年金分割とは、婚姻期間中に支払った厚生年金や共済年金を、支払金額に応じて離婚後に受け取る金額が調整できる制度です。
  例えば専業主婦をしていた方は年金保険料を支払っていませんので、このまま離婚してしまったら年金がもらえなくなってしまいます。
  この問題を解消するためにできた制度が年金分割です。

  年金分割には二つの方法があり、話し合いで分割する「合意分割」と3号被保険者が離婚をする際に請求することができる「3号分割」があります。
  3号分割は平成20年4月以降の保険料が適用対象で、年金事務所に請求をすることで手続きができます。相手の合意は必要ありません。(なお、国民年金は対象外ですので、自営業者の方からは年金分割はできません。)

  簡単にまとめていますがかなり複雑な制度ですので、一度年金事務所や弁護士に詳しくお話を聞くことをおすすめいたします。

熟年離婚は厳しいデメリットも

 様々な原因で離婚を考え、離婚の際にはお金を受け取ることができる可能性があることもわかりましたが、熟年離婚には厳しいデメリットがあります。

 ●離婚後の孤独感
  子供が独立しており趣味も無く、友人も少ないといった方が離婚後一人になって自由になった半面、孤独感を感じてしまうというケースは少なくありません。
  定年退職をしており話し相手がいなくなったという方もいらっしゃいますし、趣味で通っていたスクールの仲間との話の中に夫の話が出てきたら会話に混ざることができなくなり居場所が無くなったように感じた、病気をした時に誰もそばにいない…など、色々な場面で孤独感を感じることになってしまいます。
  孤独感から、離婚を後悔することも少なくないそうです。

 ●経済的に苦しくなった
  経済面で苦しむ多くのパターンは専業主婦やパートで働いていた女性のようですが、例えば就職したくても高齢の為就職先が見つからない、パートの給料だけでは生活することが苦しいなどの理由が挙げられます。
  熟年離婚を考える場合は、まず離婚後の生活のことを考えておいた方が良いでしょう。引っ越しをするだけでも数十万、月々の家賃や水道光熱費や携帯電話代などが十数万円、あとそれが何年ぐらい続くのか。財産分与や慰謝料があったとして、それで何年生活できるのかなど、長い目で考えておくことが大切です。

 ●家事をすることができない
  こちらは男性に多いようですが、今まで妻にすべての家事を任せていたので離婚後に食事を作ったり洗濯・掃除をすることができないといったケースがあります。
  離婚を突き付けられた場合は時間をかけて家事ができるようになるしかありませんが、離婚を切り出す場合はあらかじめ家事ができるようになっておいた方が良いでしょう。

 色々とデメリットを見てみてどうでしょうか?
 一緒に居たくない相手だけれど、お金の面では助けられていたな、家事をやってくれていたなと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 そう感じても一緒に居たくない、けど離婚をすると困るという場合は損得勘定で離婚をすべきかどうかを考えてみてください。
 結論が出ない場合は、前述した相談先に相談してみてはいかがでしょうか?
 後悔しない離婚ができると良いなと思います。

まとめ

 熟年離婚にはデメリットが存在します。
 そのデメリットをクリアできる状態ならば離婚をしても良いのではないかと思いますが、その判断が難しい場合もあります。
 離婚して後悔することが無いように、まずは専門家である弁護士などに相談してみましょう。

この記事の著者

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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