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5分でわかる:不倫と時効

更新日:2021年01月12日
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 「結婚して、早30年…。でも私は知っています。あなたが15年前に、不倫をしていたことを。」
 突然ですが、そんな方はいらっしゃいませんか? 人生の新章としていわゆる「熟年離婚」が増加する中で、この主張は正当な離婚の原因として認められるのでしょうか。5分後には、そのすべてが明らかになります。

間違えやすい『不貞行為』

 民法では、不倫のことを『不貞行為』という法律用語で扱います。法律で決められているなら離婚はすぐに出来るものなのだ!と考える方が多いのですが、実は不倫を『不貞行為』として成立させるためには、様々な「決まりごと」があるのです。

『不貞行為』の決まりごと

 不貞行為は、「配偶者が自由な意思に基いて、配偶者以外の者と性関係を結ぶこと」を指します。ここでポイントになるのが、一度くらいの関係では『不貞行為』に当たらないということです。
不貞行為と認定されるためには、
① 3回以上のラブホテルへの出入り写真
② 最低でも40分以上のラブホテルでの滞在時間
③ 不倫関係の場合、5回以上の浮気相手の家への出入りの写真
※シティホテルはツインやダブルに一人で滞在した、と言い訳が出来るので、ラブホテルという証拠が必須
しかしこのような証拠をおさえるのは、個人ではとても難しいことですし、15年前の話であればなおさらです。

慰謝料請求権が消える?

 仮に、この事例で不倫が『不貞行為』が認められたとしても、実はその慰謝料請求には時効が存在するのです。相手方に対して慰謝料を請求出来る時効までの期間は一般的に2つに分けられます。

○不貞の事実を把握してから3年間

・配偶者の不倫相手が判明してから3年間
・配偶者と離婚しない場合は、配偶者と不倫相手の最後の不貞行為を知ってから3年間
・配偶者と離婚する場合は離婚が成立してからの3年間

●配偶者と不倫相手の不貞行為があった時から20年間

・不倫の時効の最長の期間(起算点は不倫関係が始まった時点で、こちらが不倫に気付いていなかった場合:除斥(じょせき)期間と呼ぶ)
・不倫に気付いていない場合でも時効は成立
・配偶者の不倫が20年以上前のものである場合、慰謝料請求は行えない

除斥期間の説明

冒頭文の「でも私は知っています。」はどうなる?

 表を見ていただくことお分かりいただけますが、今回のケースでは、相手方が『不貞行為』をしていたのは15年前のため、20年間ある除斥期間の最中です。しかし、「15年前に、不倫をしていたことを知っていた」と冒頭で述べているので、時効が成立してしまっています。

<終わりに>
 現状では、時間が経過することにつれ、慰謝料の金額は低く認定される傾向にあります。離婚に関しては協議⇒調停⇒裁判、というプロセスがありますが、たとえ協議離婚の場合であっても、弁護士を雇うと最大限の効果があげられるはずです。まずは一度、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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