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離婚前に家を出ると不利になる?

更新日:2021年04月13日
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離婚を視野に入れて家を出たい。
配偶者が離婚について真剣に考えてくれないので別居したい。
しかし家を出てしまうと後々離婚をする場合、自分が出て行ったことによって不利な立場に立ってしまうのでは…?

このような不安があるために家を出ることができない方がいらっしゃるようですが、実際のところはどうなのでしょうか?詳しくみていきましょう!

離婚前に家を出ると不利な立場になる?

 民法第752条によって、夫婦には同居義務があるとされています。

夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

  
 そのため、家を出て別居すると自分が不利な立場に立たされると考えて別居に踏み出せないケースが多いようですが、実際は必ずしも不利な立場に立たされるというわけではありません。
 そもそも配偶者の転勤で単身赴任になった場合や親の介護など理由がある場合、夫婦関係を修復するための別居など、夫婦間の合意がある場合は同居義務違反にはなりません。
また、DVを受けている場合やモラハラによって精神的なストレスを与えられている場合、既に夫婦関係が破たんしている場合なども家を出ても同居義務違反にはなりません。
民法にあるように、夫婦が「お互いに協力し扶助する」ことが難しくなっている場合は、家を出たり別居をしたとしても立場が不利になることは無いと考えられます。

 どうしても同居が難しい夫婦関係になっている場合は別居をしても良いのではないかと思いますが、1つ大切なことは一度別居をしてしまったら配偶者との関係の修復は困難なものになる可能性が高いです。
 別居後絶対に離婚をするという意思が無ければ、後にやり直すことができなくなってしまうかもしれません。別居をしたいが離婚をするかどうかについては悩んでいるといった場合は一度考え直しましょう。

離婚前に家を出る際に気をつけるべきポイント

 離婚をする前に別居を考えている方は以下のポイントを抑えておきましょう!

 ①現在の家に誰が住み続けるのか
まず別居をする前に、離婚後は現在住んでいる家には誰が引き続き住むのか考えなければなりません。
離婚をする際には財産分与と言って夫婦の財産を原則半分に分けることになるのですが、財産分与の結果出ていく事無く現在の家に引き続き住み続けることができる可能性があります。
住み続けるとなると新居を借りるべきなのか、一時的に実家に帰るのかなど考え直す必要があるでしょう。

 ②新生活について
  引っ越しをする場合は、引っ越した後の生活をどのように送るのかをきちんと考えておきましょう。
  現在住んでいる家から何を持っていくのか、必要なものは何かを考えます。
特に子供の思い出の品など絶対に置いてはいけない大切なものは何か把握しておきましょう。引っ越した後は現在の家に戻ることはほぼありませんので、置き忘れが無いよう気を付ける必要があります。
  そして、仕事や収入について、日々の生活はどう変わるのか、子供のことがある場合は新学期から新しい生活を始めるようにするのかなど、慎重にプランを立てておきましょう。
 
  また、先述したように夫婦には同居義務があります。
  後々のトラブルを避けるために、離婚成立前に別居を開始する場合は、可能であれば夫婦間で別居の合意をしておきましょう。

 ③新住所について
  新住所を配偶者に教えるかどうかという点についてはよく考えてからにしましょう。
  DVなどが原因で離婚をする場合は、配偶者に新住所を教えることはやめておいた方が良いでしょう。
  子供に害が及ぶような離婚原因ではなく、離婚後も面会交流を考えている場合は新住所を教えたほうが良いケースもあります。
  
 ④離婚後に発生する手続き
  例えば住民票を新住所に移す、世帯主を変更する、免許証やクレジットカードなどの名義変更や住所変更をする、母子家庭になる場合は児童課で手続きを行うなど、やることはたくさんあります。
  新生活で忙しくなる前にどのような手続きをしなければならないか調べて、すぐに行動に移せるようにしておくことをおすすめします。

家を出る時に必要な物はリストアップを!

 先述したとおり、引っ越した後は現在の家に戻ることはほぼありません。
 そのため、忘れ物が無いようにあらかじめリストアップして、忘れ物を防ぐよう準備しておくことが大切です。
 一般的な持ち出し物は以下のようなものになります。

 ・通帳、キャッシュカード
 ・印鑑
 ・身分証(免許証、保険証、マイナンバーカード、パスポートなど)
 ・保険証券
 ・不動産登記簿(現在は「登記識別情報」という名前になっています)
 ・貴金属など
 ・大切な品(子供の写真など)
 ・衣類
 ・配偶者の浮気の証拠(写真やメールなど)
  など

 長い時間一緒にいると、どちらの持ち物かわからなくなることがありますが、そんな時はまず持って出ましょう。家がわかっているので自分から配偶者に返すことはできますが、取りに行くのは難しいからです。

離婚について不安がある場合は弁護士に相談を!

 離婚そのものについて悩んでいる場合や、もめごとになっている場合は弁護士に相談してみましょう。離婚の進め方、話し合いの進め方などのアドバイスをしてもらうことができます。
 具体的には
  ・離婚することができるかどうか
  ・離婚をした後どうなるのか
  ・婚姻費用の請求について(別居期間中の生活費の請求など)
  ・離婚協議を代理で行ってくれる
  ・協議離婚の席に同席してくれる
  ・離婚調停を代理で行ってくれる
  ・離婚調停の席に同席してくれる
  ・裁判の手続きなどを行ってくれる
  ・慰謝料請求をしてくれる(相手方に不倫などの不貞行為や生活費を渡さないなどの悪意の遺棄があった場合など)
  ・財産分与の計算をしてくれる
  ・親権取得のサポートをしてくれる
 など、多くのアドバイス、サポートを受けることができます。
 中でも婚姻費用や慰謝料請求、財産分与などお金のことについてはもめごとになる可能性が高く、特に慰謝料についてはまず請求できるかどうか、請求できるとしたらきっちりと証拠が残っており使うことができるかといった点については素人ではわからない部分が多いものです。
 また、話し合いについてもDVやモラハラを受けている状態ではまともな判断ができない可能性がありますし、裁判になった場合は相手方に弁護士がついていた場合はこちらも弁護士がついていないと負けてしまう可能性が非常に高くなると考えられます。
 そのため、離婚について悩みがある場合やもめごとになりそうな場合、もめごとが起こってしまっている場合は弁護士に相談したほうが良いというわけです。

 初回無料で相談を受けている事務所もありますので、まずは一度気軽に相談してみてはいかがでしょうか?

まとめ

 離婚を視野に入れて家を出る場合、DVやモラハラを受けている場合、夫婦関係が破たんしている場合などは家を出たとしても不利な立場に立つことは少ないと考えられます。
 家を出る前にはこの先の生活や離婚後にしなければならない手続きなどについてしっかりと考えておきましょう。
 また、一度家を出てしまったあとでは荷物を回収することが困難になります。あらかじめリストアップして大切なものは忘れず回収しておきましょう。
 離婚についてのお悩みやもめごとについては迷わず弁護士に相談してみましょう。
 法律のプロである弁護士がしっかりサポートしてくれます。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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