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モラハラで離婚をする際の注意点

更新日:2019年02月26日
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少し前から芸能人の年の差夫婦やおしどり夫婦の離婚によって話題になっている「モラルハラスメント」通称「モラハラ」。
今ではお昼の情報番組などでも度々取り上げられていますが、どういった行為がモラハラになるかご存知ですか?
自分はモラハラとは関係ないと思っていても、実は自分が発した言葉が配偶者などを傷つけてしまっていてモラハラに該当しているかもしれません。

モラハラで離婚になる前に、自分の行為がモラハラではないかチェックしておきましょう。また、モラハラで離婚を考えている方は離婚をする際の注意点を確認しておきましょう。

モラハラを理由に離婚をすることができる?

 離婚をする時は次の流れで進めていくことになります。

①協議離婚を始める(夫婦の話し合いによる離婚)
   ↓
②離婚調停を申し立てる(家庭裁判所での話し合い)
   ↓
③離婚裁判を申し立てる(裁判を行い離婚を認めてもらう)

①で話し合いが終わらなかった場合は②へ、②でもダメなら③へとステップを踏んでいくことになります。

③の離婚裁判を行うには離婚原因が必要です。
離婚原因は以下のとおりです
 1 配偶者に不貞な行為があったとき
 2 配偶者から悪意で遺棄されたとき
 3 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
 4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
 5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
モラハラは「5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当すると考えられますので、裁判所で受けたモラハラが離婚原因として認められれば離婚裁判を行うことができます。

●モラハラ(モラルハラスメント)とは
 モラルは「倫理感や道徳意識・精神的な」ハラスメントが「嫌がらせやいじめ」という意味です。モラルハラスメントは「精神的な嫌がらせ」ということですね。
 相手に暴言を吐く、無視する、嫌がらせをする、バカにするといった言動がモラハラに当たります。

●具体的なモラハラ行為の一例
 どういった言動がモラハラにあたるのか具体例をみていきましょう。
 言葉によるモラハラ
  ・人を貶めるようなことを言う(馬鹿・ダメな奴など)
  ・容姿を悪く言う(デブ・ブス・ハゲなど)
  ・人前で自分の悪口を言われる(こいつは頭が悪い、家事をしないなど。当てはまることが無くても笑いものにするために悪口を言う場合もあります。)

 

無視をする

  自分の思い通りにならない場合に無視をすることや口をきかないことによって、相手を精神的に追い込みます。
  さらに無視をされるような何か悪いことをしたのかと問うと「自分で考えろ」「そんなこともわからないの?」とののしってきます。
  無視は日常会話だけでなく、メールや電話での無視も含まれます。

 

理由を説明しない・理由なく困らせてくる

  何か怒っているようなので理由を聞いても、無視同様に「そんなこともわからないの?」と答えない、理由も無く一緒に食事をしなくなるなどをしてくる加害者は、人が悲しんだり困ったりする様子を見て楽しんでいる可能性があります。
  中にはいつもより早く帰宅しただけで急にキレてくる人もいます。その理由を説明しないことによって相手を不安にさせます。

 

自分の価値観をおしつけてくる

 モラハラの加害者は自分の世界だけが正しいので、人の考えに賛同することが少ないのが特徴です。そのため自分のやっている事や趣味などをいちいち否定してきます(逆に趣味などを否定したら「お前みたいなやつにはわからない」と馬鹿にしてきます)。
 また、加害者の価値観が理不尽だった場合でも被害者側に弁明の機会を与えません。常に自分が正しいと思っているからです。
    
 

罪悪感を抱かせる・恐怖感を与える

 モラハラ加害者は被害者に罪悪感を抱かせたり恐怖感を与えることで、優位に立とうとするために、以下のようなことを行います。
  ・小さなミス(物を落としただけなど)をしただけなのに、必要以上に大きなため息をつくなど、人の失敗を大袈裟に悪いことのようにする。
  ・できていない家事があれば、まるで何もできない人間であるかのように言われる(そうでもないし、加害者自身はなにもしない)。
  ・大きな音を立ててドアの開け閉めをして恐怖を与える。
  ・病気になって辛い時に「体調管理がなっていない」と罵られたり、冷たくすることによって、まるで被害者自身が悪いことをしたかのような気分にする。

 他にも
  ・家計を管理している妻から小遣いをもらえない
  ・束縛される
  ・大声で怒鳴ってくる
 など、モラハラには多くのパターンがありますので、上記の例はほんの一例です。

モラハラの慰謝料は程度によって金額が変わる

 モラハラを受けていた場合の慰謝料の相場は、数十万円~300万円程度であることが多いようです。金額に開きがあるのは、モラハラを受けた程度によって異なるからです。
その程度は次のような内容で判断されます。
 ・モラハラを受けた期間
 ・モラハラを受けた回数
 ・被害者の収入や資産(少ない場合)
 ・被害者の年齢
 ・被害者に落ち度があるかどうか
 ・婚姻期間
 ・子供の有無
 ・モラハラによりうつ病などの精神的疾患になってしまった…など

 慰謝料を多く取りたい場合は、被害の状況や被害者の資産状況などを証明する必要があります。そのため、モラハラを受けている証拠を集めておくこと、被害者の資産を証明する資料を用意しなければなりません。

 では、どのような証拠を集めておけばよいのでしょうか?

モラハラで離婚する前に証拠集めをしておこう!

 モラハラの証拠を集めるためには以下のような方法が有効です。
・被害者が受けた暴言を録音したもの
・加害者が物にあたったり、わざと大きな音を立てた様子を録画したもの
・モラハラを受けた内容を記録したメモや日記
・モラハラを受けた内容のLINEやメールなど

 モラハラ加害者は暴力を振るわず言葉による暴力や威圧をしてきますので、モラハラを受けた証拠を残すのは簡単な事ではありません。しかし、モラハラの加害者が協議離婚ですんなりと離婚してくれる可能性はかなり低いため、最終的に裁判をして離婚をすることになると考えられることから、きちんと裁判所にモラハラを離婚原因として認めてもらうためにも証拠を残しておくことは大切なことです。

 メモや日記を記録する際に注意すべき点は、モラハラを受けた内容や頻度が異常だということがわかるように記録することです。異常だとわかる証拠を出すことができれば、裁判で被害者が有利になる可能性があります。
 モラハラ加害者の特徴として、人当たりが良いことや外面がいいことが挙げられますので、調停員がモラハラ加害者の味方をするようになってしまったというケースもあります。そのため「ただの夫婦喧嘩ではなく、モラハラである」とわかる内容であることが大切です。

モラハラと財産分与

 財産分与は民法に定められた権利で、「婚姻生活中に夫婦が共同で築いた財産をそれぞれの貢献度に応じて分配すること」をいいます。
 そのため、モラハラ加害者によって束縛され働くことができず専業主婦(夫)であった場合でも財産分与を相手方に請求することができます。

 モラハラ加害者は、かなり悪い言い方をすると被害者を奴隷のように思っている節がありますので、その奴隷を手放したくない=離婚したくない、奴隷に金を渡したくない=慰謝料や財産分与を支払いたくない、ということが考えられます。このことから財産の内容を隠してしまう可能性があります。
 財産の内容がわからなければ、少ない金額で財産分与の話し合いを進められてしまうかもしれません。この場合はどうすればよいのでしょうか。

離婚問題のトラブルは弁護士へ相談

 財産の内容を明らかにするために弁護士に依頼をした場合、「弁護士会照会制度」を利用して加害者の財産を調べることができます。
 弁護士に依頼することになりますので報酬が必要になりますが、何もわからないまま話し合いを進めるよりは良いのではないでしょうか。

 そのほかにも弁護士に依頼するメリットとしては、相手方と顔を合わせたくない場合の代理をしてくれる、慰謝料や親権などでトラブルになった際も専門的な知識を持っているのでサポートをしてもらえる、などが挙げられます。
 
 特にモラハラの場合、既に加害者からの洗脳状態でまともに判断ができなくなっている可能性も否定できません。一度弁護士に相談してみましょう。

まとめ

モラハラは裁判の離婚原因として認められるようですが、認められるためにはきっちりと証拠を残すことなどが必要とされることがわかりました。
 また、慰謝料や財産分与などお金の問題で相手方と揉める可能性があります。話し合いの場でモラハラ加害者に精神的に追い詰められてしまったら、もらえるべきお金ももらうことができなくなる可能性があります。このことなどから、モラハラ被害者からの離婚は簡単ではないことがわかります。
 モラハラで離婚を進める場合は、このことを念頭に置いておいた方がよさそうです。難しい場合は弁護士に依頼するなどすることをおすすめします。

この記事の著者

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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